肩すかしをくらったというか。
わたしもトラウマから解放されたいと訴えたところ、ナカムラさんは消去学習が進んでいる、回復への意欲も感じられるし、このままでだいじょうぶだと。
先生にはわたしの不安や切実さがつたわらないのだと泣くほどくやしく、実際に泣いてしまったのだけれど、数年前にくらべれば回復していることはたしか。過食も拒食もほとんどしなくなったし、自殺企図もときどきあるけれど以前ほど頻繁ではない、なにより、休みの日には一日動けなくなるほどのべったり張りつくような疲労感はなくなった。
この病院にかかったのはこちらに越してきてからですから、医師はわたしのもっとも悲惨な時期を知らないわけで、仕方のないことなのかもしれません。
けれども恐怖心は確実にわたしの中に存在するし、この恐怖心がなくならないかぎりトラウマを植えつけた人物たちの思うつぼなのだとおもうとやはりかなしいしくやしいのです。
来月には34になります。もうあまり時間はないのです。