エイプリル・フールの嘘だとおもいたかった。
きのう病院より連絡があり、自発呼吸が弱くなっているため、呼吸器をとりつける、とのこと。
病室に向かうと、母は、きのうと変わらずのどをぜろぜろ鳴らし、すこしでも多くの酸素を得ようと体をのけぞらせていた。
眉間はきつく皺が寄り、目尻には大粒の涙が、唇は荒れ血が乾いてひび割れた大地のようになっている。
しかし、ベッドを取り囲むように設置された経管栄養の管、酸素吸入の管、痰吸引の管、心電図の管が、きのうまでの世界とは絶対的に異なる禍々しさを醸し出していた。
ナースに、家族以外の面会をどうするか尋ねられ、できるだけ会わせてやってほしいと答える。
しかしその願いが叶えられるか否かは、その日の母の体調次第となる。
けさ過呼吸で倒れそうになったのはわたしであって、母ではない。
母ならば駆けつけてくれるのは薄桃色の制服を着たナースで、ダークカラーのビジネススーツを着たサラリーマンではない。
そして母ならば、手を握って枕元に寄り添う娘がいるけれど、わたしはたった一人で起き上がらなければならない。
怒るのは、真剣だった証拠。
喧嘩するのは、一緒だった証拠。
つまずくのは、進んでいる証拠。
裏切られるのは、信じていた証拠。
失恋は愛していた証拠。
「疲れた」は、頑張った証拠。
「失敗した」は、挑戦した証拠。
「もう止めようかな」は、
まだ希望を捨てずにいた証拠。
「素直になれない」は、
それだけ愛している証拠。
もう良いは、
全然よくない証拠。
大丈夫は、
全然大丈夫じゃない証拠。
いつもヘラヘラしてる人は、
過去に何かあった人
よく笑う人は、
よく泣いた人
よく大丈夫と言う人は、
よく無理をする人
よく強がる人は、
よく我慢する人
幸せな人は、
幸せを知っているから
優しくなれる。
強くなれる。
努力する人は希望を語り、
怠ける人は不満を語る。
泣きたかったら泣けばいい
辛かったら頼ればいい
我慢できなくなったら我慢しなくていい
笑うのが疲れたら無理しなくていい
「明日笑えるかな」
って思うより
「明日少し笑ってみよう」
って思う方が辛くない。
立ち止まることは、
悪いことなんかじゃない。
辛いとき。
苦しいとき。
少し休憩して
またもう一度歩きだせばいい。
長々失礼しました
ご自愛ください(*_ _)
ありがとうございます。返信がとてつもなく遅くなってすみませんでした。
毎日がつらいわけではないですが、心のどこかが焼き切れてしまったような、麻痺したような感覚があります。
でも生きています。